プッシングスルーとは
プッシングスルーとは、サーフィンにおいて、押し寄せる波やスープ(すでにブレイクした波の白い泡)の下を、ボードのノーズ(先端)をわずかに持ち上げて波の力を受け流すことで乗り越えるテクニックだ。完全にボードごと潜り込むドルフィンスルーが難しいロングボードや浮力の大きいボードで、主に小さめの波やスープを乗り越える際に使われる。パドルスルーと呼ばれることもある。
プッシングスルーのメカニズムと手順
プッシングスルーの基本的な手順は、まず波やスープが来る直前に、ボードにうつ伏せになった状態で、両手でボードのレール(側面)を持ち、ノーズを水面から少し持ち上げることだ。このとき、ボードのテール(後方)部分は水中に沈み込む。
次に、波やスープがノーズの下を通り過ぎる瞬間、体を少し丸めるようにして、波のエネルギーがボードと自分の間を通り抜けるのを助ける。波がボードの上を滑らかに通過し、ボードが押し戻されるのを最小限に抑えるのだ。波が通り過ぎたら、すぐにノーズを下げてパドルを再開し、次の波に備える。
このテクニックの鍵は、波の力を正面から受け止めず、その下を「すり抜ける」ようにすることにある。完全に潜るのではなく、波の力を効率的に「かわす」イメージだ。
プッシングスルーの利点と注意点
プッシングスルーの主な利点は、体力の消耗が比較的少ないことだ。ドルフィンスルーのようにボード全体を深く沈める必要がないため、疲労を抑えながら何度も波を乗り越えることができる。特に、連続して押し寄せる小さめの波やスープに対しては、効率的なゲッティングアウト(沖に出る行為)の手段となる。
しかし、注意点もいくつかある。
- 波のサイズとパワーの限界: プッシングスルーは、あくまで「小さな波」や「スープ」に有効なテクニックだ。サイズの大きな波や、強いパワーを持つ波に対しては、十分な効果を発揮できず、ボードごと押し戻されたり、巻き込まれたりする可能性が高い。
- タイミング: 波が来るタイミングに合わせて、正確にノーズを持ち上げ、波を受け流す必要がある。タイミングがずれると、波にボードが弾かれたり、バランスを崩したりすることもある。
プッシングスルーは、ロングボードサーフィンで沖に出るための基本的な技術であり、特に混雑したビーチポイントや、波が比較的穏やかな日には非常に有効な手段となる。このテクニックを習得することで、よりスムーズに、そして快適にサーフィンの時間を増やすことができるだろう。

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